「これ、本当に石の音!?」
音色にこだわった石琴
石の音と聞くと、どんな音をイメージするだろう?
「カンカン」「コンコン」
おそらく誰もが硬質な音を想像してしまうのではないか。
しかし、庵治石の石琴は柔らかく素朴な音を奏でる。初めて聞いた人でも「何だか懐かしい」と感じる音がするのだ。
さらに、2011年4月現在、島本さん謹製の石琴は、単に「音が出る」というレベルではなく、3オクターブもの音階を持ち、イベントなどで実際に演奏されている。
「インテリアとして欲しい!」
美しさにこだわった石琴
職人寺竹さん謹製の石琴は、演奏用よりも2周りほど小さいサイズだ。
寺竹さん曰く、
「まだ未完成。作品としてではなく、商品として通用するものにしたい」
との事であるが、
石琴の『面白さ』に庵治石の美しい目合いが『華』を添えており、実に良い。『作品』と言っても十分通用する質感に溢れている。
取材をした2011年5月の時点で「まだ未完成」との事だが、それは、逆に言えば制作開始から僅か1年弱で商品化が具体的になりつつあるところまで来た、ということでもある。
そこには「職人魂」という言葉に代表されるような、庵治の石工職人の情熱やプロ意識が確かにあり、寺竹さんが言った「未だに、課題をクリアする方法を考え始めると寝られなくなる」という言葉がそれを物語っている。
今後、いくつかの課題をクリアし、商品化されるのが楽しみな庵治音、である。