僕の在籍する会社の代表作のコピーのパクリタイトルで始まるこのブログ、長いです。
「さぬき映画祭2010」の授賞式が行われるとあって日曜日の午後から2ヶ月ぶりに高松に向かいました。
製作総指揮の大久保さん、プロデューサーの伊藤さん、そして、ここまで来たらプロデューサーの一人と言ってしまおう、亀田さんと4人、これまでの事、これからの事、色々話しをしました。
スッキリしました。スッキリしてもらいました。ここで話し合ったことを、高松チーム、東京チームに共有することでまたチームが一つになってこれからの大きな目標に進んでいければと願っています。
注目の映画祭の結果。
グランプリ該当作品無しの中での、
準グランプリ受賞。
発表された直後「なんとちゅーとはんぱな!!準ならいらんわ!!」とガックシした自分が
今日はとっても恥ずかしいです。
思い起こせばこの一年の大半の時間を「庵治石の味」に費やしました。
今日初めて言いますが、昨日高松空港で東京行きの飛行機に乗る瞬間まで
「引き受けるんじゃなかった」
って思ってました。いろんな思いをだましだまし、そういう意味ではみんなに嘘つきながら、太ももつねりながら続けて来ました。
僕にだって言い分があります。みんなにだって言い分があります。
撮影も全部参加したかったし、集合写真にも写りたかったし、何より努さんと約束した「一緒に現場立ちましょうね」ということ守れなかったし。あいつもこいつもどいつも言う事聞かねーし、勝手なことばっかやるし、事情も知らずに言いたいことばっか言うし。
今思えば僕が一番卑怯なやり方でこの映画に関わってきたかもしれません。
でもね、数週間前に、僕の妻に言われたある言葉に気付かされたことがあるんです。
それはこの映画がここまでの規模に成長した理由をも説明している言葉でもあるんです。
「あなたたち、アーティストなんでしょ?
クリエイターなんでしょ?職人なんでしょ?
モノつくりたいんだったら、
タダでもやるってくらい腹くくってやりなさいよ」
これ、誤解しないで下さいね。「アリPいつでもタダで仕事やりまーす♥」って技術能力経験の安売りするって意味じゃないですよ。
お金をもらえるから映画を作るのか。
映画を作りたい、作ったからお金がもらえるのか。
この場合は「鶏が先か卵が先か」では決してなくて。僕は後者でありたいし、あるべきだと思っています。
ほら、気付いたら、庵治牟礼の職人さんたちみんなこの覚悟、誰にも何にも言われなくても映画に関わった時点から持ってたでしょ?たぶん生まれた時から持ってるんですよ。
映画とか広告とかテレビとか、比較的「若い芸術」たちは、ちやほやされた時代が昨日の事のように忘れられないから、そんな時代にすがりたいから、勘違いする瞬間がたくさんあるんです。
でも、ぼくらそこじゃないでしょ。
自分の表現したい事、伝えたい事、大きな代償を求めて何かを始めるんじゃなく、ただ純粋に真っすぐにやりたいからやる。に尽きると。
お金や賞は後からついてくる。
「準グランプリ」。いいじゃないですか。
そういう意味では「花子の日記」も純粋に真っすぐにやりたい事やってたし、そういう意味では、高松工芸高校のみんなにも準グランプリあげるべきだった。
あえて言おう、その方がシャレてたぜ、審査委員のみなさん。
最後に、今日初めてこのブログを読む皆様へ。
僕らはこの映画を元々「90分の長編」として作ってきました。昨日までの50分は仮の姿です。
そして、今日ここで発表しちゃいます。
90分の長編はタイトルが変わります!
「庵治石の味」はサブタイトルとして残りますが、
その名も、
「紲~庵治石の味~」
(漢字読めますかー?「きずな」と読みますよー。漢字に監督のこだわりがあります)
ベタやなーって思います?僕も最初そう思いました。
で、1ヶ月くらいして、突然「あ、いいかも」って思いました。
この映画はそんな感じに仕上げたいです。観た直後はじんわりさせて、そのじんわりの理由がわからずおうちに帰って普段の生活をして、ふとした瞬間に、「あ、あの映画こういうこと言いたかったのかな?」って思い返してもらえればそれで満足。
長編の完成は初春。まずは高松で上映会やります。その時までしばしのお別れですが、高松の皆さんとの強い「紲」を原動力に引き続き頑張ります。
「庵治石の味」プロデューサー 有川潤
P.S. 映画祭事務局の皆様、一応「コミュニケーションブランディング」というのを本業にしています。来年困ったことがあったら一報下さい(苦笑)。あ、早めにね(泣笑)。
有川さん、ありがとうございました。Aブログ、そろそろ終わってもいいですか・・・。