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そして、庵治音が生まれた!庵治音誕生秘話

庵治音が生まれるまで

きっかけは監督のワガママこだわり

「紲~庵治石の味~」には、小さな石琴が重要な小道具の一つとして登場する。
劇中、その石琴を鳴らすシーンがあるのだが、当初そのシーンはサヌカイト(※)の音をかぶせる予定だった。

しかし『本物』にこだわる監督は言った。
「やはり本物の庵治石の音でなければ」と。
その一言が全ての始まりであった。。。

※サヌカイト:
香川県だけに産出する自然石で、1891年ドイツの地質学者ヴァインシェンクが「讃岐〔さぬき〕の岩」の意をこめ「サヌカイト」と命名しました。
木槌で叩くと神秘的で澄んだ美しい音を奏でるところから、地元では「カンカン石」と呼ばれています。日本文化いろは事典より)

きっかけとなった石琴

職人魂+ノリ

それを聞いた庵治石の職人たちは驚き、そして困惑した。
何故なら400年に亘る庵治石の歴史の中で、「庵治石は鳴らない」「音が出ない」というのが最早常識となっていたからだ。

「今までそんなことをやろうとした職人はおらんかった」
「何十年もやっとるけど、そんなこと考えたこともなかったわ」

当時の事を石工職人さんたちに聞くと、みな一様にこう言う。さほどに、それはあり得ない発想・アイデアだったのだ。

しかし、そこは生粋の職人である、「無理だ」とは言わない。
「無理だと思う事にこそチャレンジしたい」
「楽しそうな事はやってみたいやんか」
と、職人魂とノリで「とにかくやってみよう!」という事になる。

職人気質

そして『庵治石の音』が生まれた!

映画スタッフと石工さんたちの議論の結果、3人の職人さんがそれぞれのコンセプトで作ることになった。
と言っても、なにせ全く初めての事である。全てがゼロからのスタートとなった。

「どうすれば音がでるのか」
「音程がとれるものなのか」

参考にする資料もなく、とにかくやってみるほかない。
石を削り、磨き、叩いてみる・・・延々とそれを繰り返していく。暗闇の中を手探りで歩くような作業を続けることで、ようやく音が出るようになり、調律のノウハウが生まれ、音階が取れるようになった。
そしてその結果は・・・是非映画を観て、ご自分の目と耳で確かめてみて欲しい。それは紛れもなく『庵治音』なのだ。

庵治音誕生

『映画の小道具』からの発展

映画の撮影は2010年の夏に終わった。既に編集も終わっている。
しかし、一度火が付いた職人魂はまだ燃え続けていた。

撮影終了後も通常の業務の合間にそれぞれ研究を重ねていたのである。
その結果、庵治石の石琴は完成度を高め、オクターブ数を増やしていった。
1オクターブから2オクターブ・・・そしてついに演奏できるレベルへ。

それは単なる一つ石琴の完成ではなく、「庵治石と音楽」の可能性を実証し、新しいプロジェクト「庵治音」のスタートを告げる合図となったのである。

そして次のステージへ

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